ネットでつながるキリスト教会、世話人のNです。
今回のテーマは、新型コロナや、格差社会、その他困難に直面している人を助ける働きをしたいと思う人と協力し合って、何か出来ないかという、提案です。
これまでの教会の活動
日本のキリスト教会の多くは、これまで、あまり積極的に社会的に助けを必要としている人に対する援助を行ってこなかったように思えます。
また、日本のキリスト教会は、積極的に社会との接点を持つというよりかは、ひっそりと、クリスチャン同士の仲間内だけで、暮らしているようなイメージがあります。
そのため、残念ながら、困難に直面している人や、社会問題に無関心で、「クリスチャン・ワールド」に閉じこもっているクリスチャンが多いように思います。
日本の貧困
日本では、バブル期以降、貧困率が上昇しています。日本人の実に6人または10人に1人が貧困(厚労省と総務省の2015年調査結果の違いによる割合の相違がありますが)と言われています。
にもかかわらず、国際的にみると、日本は再分配による貧困率削減効果が小さく、しかも、その効果は年金による年齢層間の移転で高齢者に集中しているとされています。
新型コロナで困窮する人が続出
新型コロナの感染が拡大し、仕事を無くして、住むところが無くした人。
貯金も無くなり、所持金が千円にも満たない人が生活保護を受けようとして、役所の窓口に行っても門前払いを受けて、途方に暮れ、保護団体に助けを求めた人の様子がテレビで放映されていました。
新型コロナが感染拡大を開始して約半年経ちますが、ワクチンや特効薬が全ての人に行き渡るようになるには、あと2年必要だと言われています。
経済活動が今のような停滞した状況が継続すれば、失業者は更に増え、生活保護を申請する人が1千万人に達する可能性もあるのではないでしょうか。
キリスト教会が直面していること、進むべき方向性とは
そのような時、キリスト教会はどのような対応をするのでしょうか。
生活不安を抱えている教会のメンバーに、週に数回しか利用しない教会堂の維持のため、十一献金を強要するのでしょうか。
新型コロナウィルスが拡大する中でも、礼拝出席を義務化するのは、教会堂を維持するためなのでしょうか。
コロナに感染して重症化するリスクは誰にでもあるにも拘らず、教会堂を維持するために、教会メンバーの命を死のリスクにさらすことに、どれだけの妥当性があるのでしょうか。
それは、神のためというより、教会堂を維持するための牧師のメンツを保つためでしょうか。
そうならば、神より牧師のメンツを優先する偶像礼拝ではないでしょうか。
教会とは、教会堂という建物のことなのでしょうか。キリストは果たして、そのように言ったのでしょうか。
コロナに感染する可能性が高くても、礼拝出席を義務化し、メンバーの命を危険にさらすのでしょうか。
1人、1人の霊的、精神的ケアには重きを置かず、教会メンバーの数を増やすこと、ひたすら教会組織と教勢拡大のため、教会堂の建築費用を集金することに血眼になり、明日の生活にも困窮している人は無視するのでしょうか。
そして、それが神の御心だと教えるのでしょうか。
12使徒の初代教会は家庭集会だったのだから、新型コロナが流行し、大人数の集会が難しいのであれば、家庭集会のような小規模集会に切り替えるべきです。
また、新型コロナのような感染症が、現在流行している新型コロナの後にも常態的に発生するのであれば、むしろ、教会堂のようなところに大人数が集まることは今後難しくなり、教会堂が必要なくなる可能性が大きいです。
資本主義経済の破れ口を修復すること
旧約聖書エゼキエル書22.30
「わたしがこの国を滅ぼさないように、わたしは、この国のために、わたしの前で石垣を築き、破れ口を修理する者を彼らの間に捜し求めたが、見つからなかった」
資本主義経済は、努力する人に恩恵をもたらすシステムを提供し、人々が自由に安心して暮らせる社会をある程度実現してきました。
その一方で、人間の欲望には限りがなく、資本主義経済のマイナス面が問題化しています。
世界を見渡すと、少数の富める人が世界中の富の大半を独占していることが分かります。
近未来日本の超格差社会への突入
日本では今、上位1%の富裕層が、国富のおよそ1割を持つようになっています。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏によると、すでに日本は、「超格差社会」へ突入していると、警告しています。
そして、ピケティは、次のように述べています。
「日本の場合、少子化で人口減になっていることが問題で、子供の数が少ないということは、相続のとき、一人の子供に多額の資産が集中するということ。当然ながら、金持ち一族に生まれた子と、庶民の家に生まれた子では圧倒的な差が出てきてしまう。出生率を上げない限り、日本国内の格差は今後、広がり続けます」
世界トップ62人の大富豪が、全人類の半分である36億人と同額の資産を持っています。その総額は180兆円。
日本人としては、ただ1人ユニクロの社長が資産総額2兆3千億として、先の62人に含まれています。
日本は、かつて一億総中流といわれていましたが、日本もグローバル社会の潮流に飲み込まれ、世界的な競争の中で、終身雇用制度が崩れ、リストラなどで、中流から脱落する人が多くなっています。
そのような状況が、政治的に都合の良い自己責任という言葉が正論であるかのように用いられるようになりました。
東大の学生の家庭の6割以上が年収1千万以上との統計から分かることは、教育格差は、親の経済力が影響するということです。
経済力の無い家庭で生まれた子供は十分な教育を受けられず、機会不平等の教育環境の中、良い学校、仕事を得られず、結果的に、格差が子供の世代に連鎖するのであれば、この状況を自己責任という言葉で片付けられるものではないことは明白です。
このような格差の拡大が資本主義経済のほころび、破れ口であると思います。
そして、神は、現代のそのような格差社会を見て、神を信じる者、愛する者が破れ口を修復する者として、行動することを求めているのではないかと思います。
旧約聖書エゼキエル書28.4-5, 16にツロに対する預言として次のような言葉があります。
「あなたは自分の知恵と英知によって財宝を積み、金や銀を宝物庫にたくわえた。
商いに多くの知恵を使って財宝をふやし、あなたの心は、財宝で高ぶった。
それゆえ、神である主はこう仰せられる。
あなたは自分の心を神の心のようにみなした。
あなたの商いが繁盛すると、
あなたのうちに暴虐が満ち、
あなたは罪を犯した。」
私は、個人的にこのエゼキエルのツロに関する預言は、日本に関するものだと考えています。
下記の拙著記事で詳しく書いています。
私は、暴虐という言葉は、富の独占による格差で富める者が富を持たない人にその富を分配しないことだと解釈しています。
神がこの格差社会を暴虐と見なしているのだと思います。
そうであるなら、尚更、神は、この資本主義経済の格差により生じている破れ口で困難に直面している人を助ける、修復する人を求めていると思います。
破れ口の修復 - 具体的な活動とは
⚪️ 具体的には、明日、食べる物が無い人に食べ物を提供するだけでなく、お金を渡す。
⚪️ 住むところが見つかるように手助けする。
⚪️ 仕事が見つかるように助ける。
⚪️ 高校を卒業して、専門学校や、大学に行くお金が無ければ、返済不要の奨学金を提供し、将来余力が出来たら、奨学金財団に寄付してもらうようにする。
⚪️ ボランティアで、小中高生の宿題や勉強を助ける。
⚪️ あと、私が現在検討しているのは、商売用のケータリング・トラックを休業日にレンタルして、それで地域巡回の子供食堂(新型コロナ下では大人も対象とすべきだと思いますが)を無償で運営することです。
1人では出来ないことでも、2人、3人と集まればできることがあると思いますので、同じような思いを持つ人は、クリスチャンでも、そうでなくても、気軽に連絡をもらえると、嬉しいです。
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